お役立ちコラム 集団補聴システムどれがいいの?【メリットとデメリット】| 難聴者支援(赤外線・FM補聴)及びスマホIP無線は有限会社アイアシステム

お役立ちコラム|難聴者支援(赤外線・FM補聴・ヒアリングループ)及びスマホIP無線は有限会社アイアシステム

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お役立ちコラム

集団補聴システムどれがいいの?【メリットとデメリット】

2023.11.22

集団補聴システムは、大きく3パターンに分かれます。

「FM補聴」「ヒアリングループ」「赤外線補聴」
   (詳しくはこちら→【福祉のまちづくり条例】難聴者システム・集団補聴設備・補聴援助システムとは?)

そのどれも一長一短であり、メリットとデメリットを把握したうえで、

使用する場所・目的・広さ・費用・貸出・常設or仮設・新築or改修を考慮して選ぶのが良いです。

 


各メリットとデメリット

「FM補聴」

 メリットは、福祉電波の確保された周波数で、混信することなく、広いエリアを安定してカバーできることです。

FM送信機1台でワンスロープのホールや体育館の全客席をカバーするため、どの席に座るか考慮する必要がなく、視聴エリアが広くなるほど総費用を一番低く抑えられます。
また、オーディオインターフェースを用いると、非常放送設備と連動することができます。通常、防災の観点から、非常放送設備が起動するとメインスピーカーの音声が消えて非常放送が非常用スピーカーから流れますが、オーディオインターフェースを利用するとFM受信機に非常放送を自動で切り替えて流すことができるため、緊急時に難聴者を取り残すことなく非常誘導することが可能となります。

 デメリットは、福祉電波を使用しているため、補聴援助以外の用途には使えません。

 

「ヒアリングループ」

 メリットは、Tモード付補聴器の利用者はスイッチを切り替えるだけで使用できることです。

そのため、施設使用者・管理側と共に受信機の貸出をする負担が無くなります。
また、ヒアリングループには貸出専用のポータブル型ヒアリングループ機があり、アタッシュケース一つにまとまっているので、事業所や団体・イベント開催場への貸出しが楽でスムーズに設営できます。さらに、受付カウンター用のコンパクトサイズもあり、対面での利用も可能です。寝転んで見るプラネタリウムでもよく利用されています。

 デメリットは、基本はループケーブルを埋設するので、改修工事で新たに導入することは困難であること、聞こえにムラが出ないようにエリアが広くなれば配線が複雑になること、磁界を発生させるためデッキプレート床の場合は出力が低下してしまうことです。そのため、エリアが広くなれば工事費が一番高くなる可能性があります。また、受信機を利用する場合は、受信機を垂直に持たないと磁界を正確に受け取れなくなるため、音質が変化します。難聴者が補聴器を購入する際は、Tモード(誘導コイル)の有無の優先順位が高くはないことも考慮する必要があります。

 

「赤外線補聴」

 メリットは、赤外線が人や物を透過しないで反射することと、音質のクオリティーが高い・複数のチャンネルを同時(L/R別々にするなど)に送れることです。

会議室等での利用で外部に漏れることや盗聴の心配がありません。そのため、隣接した部屋での利用、展示ガイドや同時通訳・プラネタリウム・映画館など、難聴者用以外の用途でも利用範囲が広いです。また、狭いエリアであれば一番費用が安く済みます。

 デメリットは、ラジエータ(送信機)と受信機の間に人や椅子・机などがあると音声が途切れます。ご家庭でのテレビのリモコンを想像してもらえるとわかりやすいかと思います。そのため、利用エリアは広くなればなるほどラジエータの数が必要になります。また、屋外での利用はできません。ただし、会議室程度の部屋であれば、赤外線が乱反射するため音の途切れも気にならなくなります。

 

 


補聴システム利用者側にとっての違い

受信機の向きによって聞こえが変わってしまう可能性があります。

・「FM補聴」は、受信機がどの方向に向いていても受信感度は変わりません。(ヘッドホンなどのケーブルがアンテナの役割を果たしています)
・「ヒアリングループ」は磁界の向きと受信機のコイルの向きを合わせる必要があり、耳掛けタイプなどであれば問題ありませんが、受信機を使用する場合は向きによって聞こえる音質に差がでます。そのため受信機は垂直に持つ必要があります。
・「赤外線補聴」は、人や物を透過しない・反射する特性があるため、会議室などでは向きを気にする必要はありませんが、エリアが広くなるにつれて、受信機の向きを気にする必要があります。(基本は胸元正面に向けてぶら下げれば大丈夫です)

ご自身の補聴器にTモード(誘導コイル)が有るか無いかによる。

Tモード付補聴器は、「ヒアリングループ」では専用受信機なしで聞き取ることができるため大変便利です。
「FM補聴」「赤外線補聴」では、シルエットインダクターネックループインダクターを使用することで、Tモード付補聴器でも聞き取ることが出来るようになります。
その際の肝心の聞こえやすさに補聴システムによる違いはなく、どの方式でも利用者自身の補聴器で快適にご利用いただけます。

 


以上が、集団補聴システム3種類の比較になります。
どれもが難聴者補助・老人性難聴補助を目的としてお使いいただけます。
視覚障がい者や肢体不自由者に対する支援は、外見から援助しやすいですが、耳の不自由な人に対する支援は外見から判断しにくく、声を上げることも苦手な人が多いため、なかなかサポートが進まないのが実情です。
そのため、システム利用可能な施設は、チラシに掲載・施設にポスターや掲示板など常時告知をすることが求められています。